日本看護診断学会第3回学術大会報告 クリティカルに進めよう看護診断を
【事例セッション報告】
看護診断「自己尊重の状況的低下」の展開を振り返って―Critical Thinking を用いた検討
pp.86-87
発行日 1998年3月15日
Published Date 1998/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.7004100010
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[参加者] 野口絹子,瀬尾典子,池田和子,俵智恵美,松田佳子,住田久子,織奥キミエ,和田るみ子,早川幸子,井山寿美子(鳥取大学医学部付属病院,鳥取大学医療技術短期大学部)
[司 会] 江本愛子,大竹芳子(三育学院短期大学)
看護診断の知識が徐々に普及し,今日看護診断を臨床に導入する施設も増加してきた.しかし,はたして診断を導き出したプロセスは適切だったのか,診断名は正しかったのか,診断は適切なケアに結び付いたのかなど,吟味するための課題は大きい.
クリティカルシンキングとは,理にかなって熟慮することであり,焦点を浮き彫りにし,最も適切な判断を下していく思考のプロセスである.クリティカルシンキングができるためには,標準的ケアや習慣にこだわらず,よりよいアイデアに対して心がいつもオープンであることが大切である.そこで今回,診断に必要なクリティカルシンキングを具体的に学ぶために「事例をもとにクリティカルに考えよう」のセッションが設けられた.発表の内容は,〈自己尊重の状況的低下〉を診断した2人の進行した消化器癌の40代の患者に関するものであった.看護診断とケアの展開がクリティカルシンキングを用いた看護過程であったかどうかを自己評価したものである.評価の基準としては Rubenfeld および Scheffer が分類した5つの思考様式(全面的想記,習慣,吟味,新しいアイデアと創造性,自分がどのように考えているかを知ること)を用いている.
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