特集 揺れ動く社会規範と保健活動
地域看護活動を促す実践理念—自己尊重と権利擁護
中島 紀恵子
1
1北海道医療大学看護福祉学部
pp.688-692
発行日 1997年9月10日
Published Date 1997/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662901624
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はじめに
新世紀に向けて,看護制度全般の改革が進んでいるが,この戦略的バックボーンが『少子・高齢社会看護問題検討会報告書』(1995年6月)である。報告書で強調された意見は,高齢化,医療の高度化,専門化に対応した看護職員の資質の向上のための准看護婦制度問題の解消と教育カリキュラム改善である。2つの改正は同時に行われなければ,本当の意味での資質の向上には結びつかない。
「資質の向上」は,古くて新しい問題だが,「こうすれば確実」といったマニュアルがあるわけではない。しかし新世紀社会が,看護婦や保健婦に求めているのは,患者・住民の自己尊重と権利擁護に対する確固たる実践性であろうと思われる。私たちは,本当にどの程度まで機関内の方針や公共政策の意図に関心を持ち,かつ患者・住民の権利に添い訴え続けることができるのだろうか。
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