第20回日本腎不全看護学会・学術集会記録 【特別講演】
1. 看護の現場を科学する—裏づけられた看護は患者を支える
武田 利明
1
1岩手県立大学看護学部
pp.10-17
発行日 2018年4月30日
Published Date 2018/4/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.7003200101
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I.はじめに
臨床の場では,科学的根拠に基づいた医療(evidence-based practice:以下,EBPと略す)が求められており,看護技術についても経験知を科学知にするための研究が盛んに行われている.筆者も,臨床での課題や疑問を実践家と共有するとともに,その内容を看護技術の基礎研究のテーマとし,得られた知見を臨床の場に還元する取り組みを行っている.これまでの研究で,看護師の「根深い思い込み技術」に気づく機会が多く,このような看護技術はEBPの実践を阻害することになり,看護の質の低下にもつながる.
実践の場において,この「思い込み看護技術」に気づく感覚を磨くためには,その感覚を醸成する職場環境を整えることがまずは重要である.そのためには,日々の看護技術を見直し研究的な視点で看護ケアを実践することと,それを適切に支援できる組織体制を強化することが大切である.
本稿では,「思い込み看護技術」を排除した研究プロセスの実例を紹介し,看護の現場を科学するヒントを提供したい.
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