第19回日本腎不全看護学会・学術集会記録 【会長講演】
生きる力 看護の力 腎不全看護を追い求めて
中原 宣子
1
1公益財団法人浅香山病院
pp.4-10
発行日 2017年4月15日
Published Date 2017/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.7003200090
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はじめに
日本腎不全看護学会学術集会・総会を16年ぶりに大阪で開催する光栄を得た.その第19回のテーマを「生きる力 看護の力」と決めた.透析療法を受けなければ生きていくことができなくなった腎不全患者を支えてきた看護の力を見つめ直し,未来につなげていきたいと思ったからである.
日本の透析患者の死亡率が世界で最も低いことはよく知られている.それは,透析医療技術や機器の進歩発展,薬剤の開発,また,経済力を背景にもつ社会保障力,そして,私たち看護師の姿勢や努力が今の透析患者を支えてきたからだと思っている.合併症が起こらないような手ほどきと,患者が希望を見失わないように生きる力を支える看護の力—私自身もそこに携わってきた1人として振り返ってみると,この30数年間,看護師として何をするべきかという追求の連続であったような気がする.そこで,腎不全看護はどうあるべきかと追求し続けた軌跡をもとに,「生きる力 看護の力」を考えてみたい.
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