第8回日本腎不全看護学会・学術集会記録 【シンポジウム:透析者の苦悩・苦痛とケア】
2.臨床看護師の立場から
上山 信
1
1公立学校共済組合北陸中央病院看護部
pp.20-23
発行日 2006年4月15日
Published Date 2006/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.7003100258
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Ⅰ.はじめに
当院透析室は,ベッド数19床,透析者53名(平均年齢68.54歳,平均透析歴6.18年),看護師8名(平均年齢35.4歳)の施設である.
2004年の調査1)によると,全国の透析者は約24万8千人を超えている.また全患者の平均年齢も,63.32歳と高齢化してきている.その原因は導入者の高齢化,長期透析者の高齢化といわれている.
透析者は「透析を受けなければ死に至る」という不安におそわれている.この透析患者の心理について春木2)は,「ショック→不信→否認→不安→いらだちの過程を経て不安や抑うつを抑圧できた状態が→受容である」と述べている.
透析者の苦悩・苦痛には,高齢者は「なぜ,この年になって」という「嘆き」や「怒り」があり,現役社会人は時間拘束による役割喪失の不安があり,長期透析者は合併症による苦痛などがある.私たちは,このような苦悩・苦痛をもっている透析者の心情を受け止めて,透析を続けていくことが受容できるように,日々かかわっていくことが求められている.
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