特集 恐れず恐れよ!骨転移診療 超実践ガイド
Part2 骨転移は誰が、どう診ればよいのか
各職種の役割と現場を変える積極的なかかわり方
看護師の立場から
山口 郁美
1
1聖路加国際病院看護部
pp.420
発行日 2018年10月15日
Published Date 2018/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1430200330
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チーム介入前の課題
骨転移がある患者でも、早急に対応すべき問題がなければ原発巣の治療が優先され、骨転移に対する注目度や意識は低い傾向にあった。また、骨転移のある患者のADLを主治医に相談しても、骨の専門家ではないこともあり、明確な指示を仰ぐことは難しかった。そのため、過度な安静が患者のQOLを低下させ、廃用症候群やせん妄などの合併症の原因となることを理解しつつも、「自分の介助や判断で、患者が骨折や麻痺を起こしてしまったらどうしよう」という不安や責任感から、患者に無理をさせないよう安静を強いていたように思う。たとえ患者が、「骨折や麻痺のリスクがあっても歩きたい」という希望をもっていても、対応できる根拠や連携が十分ではないため、患者の思いに応えられないモヤモヤした思いを抱えていた。
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