【調査報告】
1.透析看護必要度と適正人員配置基準の検討―多施設で看護必要度測定を試みて
杉田 和代
1
,
遠藤 ミネ子
2
,
遠藤 優子
3
,
縮 育子
4
,
小川 きみ代
5
,
中山 重雅
6
,
萩原 千鶴子
7
,
佐藤 久光
8
,
宇田 有希
9
1昭和大学藤が丘病院
2恵仁会三愛病院
3仙台社会保険病院
4つくばセントラル病院
5総合病院国保旭中央病院
6新宿石川病院(新宿恒心クリニック)
7眞仁会横須賀クリニック
8増子記念病院
9眞仁会
pp.82-88
発行日 2004年11月15日
Published Date 2004/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.7003100196
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Ⅰ.はじめに
近年,透析患者の高齢化や合併症を有した糖尿病性腎症患者の増加など,透析室での手厚い看護を必要とする患者は増加している.そのようななかで,透析室のスタッフ配置については,病棟のような適正な人員配置基準や目安がなく,各施設の状況に応じた人員配置になっている.唯一,現状の透析室のスタッフ配置の目安として,日本透析医学会調査1)の,患者10人に対する慢性透析療法従事職員(以下,従事職員と略す)数の割合を参考にすることができるが,この割合は,あくまでも現状の患者数に対しての従事職員数の割合であり,適正な人員配置基準や目安とされた調査ではない.
適正な人員配置を検討するには,単に患者数とスタッフ数の割合だけでなく,患者に実施される看護ケアの量や質を測定し,算出していく必要がある.各施設透析室での看護ケアの量や質を測定するスケールを開発し,適正な人員配置を検討した報告2~6)はあるが,多施設で同じスケールを使用して測定し,適正な人員配置を検討したものは少ない.
そこで今回,透析療法の安全性を考えた人員配置を検討する目的で,現状の各施設の患者数に対するスタッフ数の割合と,そこで実施されている看護ケアを測定し,スタッフ数と看護ケアの関連性を検討したので報告する.
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