第5回日本腎不全看護学会・学術集会記録 【ワークショップ:腎不全患者のトータルケア】
2.当院の腎臓病総合医療センターにおける腎移植の現状
藤﨑 百合子
1
1名古屋第二赤十字病院
pp.15-17
発行日 2003年4月15日
Published Date 2003/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.7003100139
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はじめに
腎不全治療には血液透析,CAPD,腎移植の3つの選択肢がある.おのおのの治療にはそれぞれ長所と短所があるが,腎移植医療は慢性腎不全の根本的治療であり,移植腎が生着すれば腎不全の状態から解放され,患者のADLは著しく向上する.しかし,一方,腎移植医療は,移植腎を提供してくれる提供者を前提としているため,単なる医学的な治療選択の問題にとどまらず,背景に社会的な要素を含み,その選択をより困難にしている.また,腎移植医療に関する医学的あるいはそのシステムについての情報の不足は,患者のみならず実際に腎不全医療に携わる医療者も強く感じており,さらにその選択を困難にしているのが現状である.
当院の腎移植手術の実績は,2002年11月現在,生体腎移植494例,献腎移植156例,小児腎移植14例を行っている.今回,当院の腎移植の実際を紹介し,腎不全医療に携わる医療者が,腎移植についてより理解し,「腎不全患者が自分のライフサイクルに合った治療選択ができるよう」な支援・助言の参考になればと思い報告する.
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