第5回日本腎不全看護学会・学術集会記録 【会長講演】
腎不全看護の専門性の追求―技と心
牛崎 ルミ子
1
1新生会第一病院
pp.4-7
発行日 2003年4月15日
Published Date 2003/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.7003100135
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はじめに
年々,少子高齢化の進行と医療保険財政の悪化で,医療費の削減が進められています.わが国の透析者数は2001年末21万人を超え,糖尿病性腎症による導入が首位を占め,高齢者,長期透析者が増加している現状です.このことから,重複した合併症治療と患者のかかえる問題は,複雑化し多大であることが予測され,医療者の専門性を発揮した質の向上と効率化が求められています.
腎不全看護は,腎不全保存期から腎不全末期治療の血液透析,腹膜透析(CAPD),腎移植などの長期にかかわる支援となります.これからのチーム医療のなかで,看護師はコンサルテーション能力,コーディネーター能力が求められています.看護は,看護の対象者と看護者との間に展開される過程であり,腎不全看護はエンドレスケアで,看護者自身の人生,生き方そのものにかかわり,看護者と患者は,相互に成長し合う存在です.
看護師は,安全,安楽,適切な治療を患者が納得・安心して受けられるよう,家族を含めた生活調整の支援をすることが重要です.また,患者のライフワークに合わせた治療法の選択,セルフケアに向けた援助,情報提供,医師やコメディカルスタッフとの橋渡しをすることは,看護師の役割といえます.
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