日本老年看護学会第7回学術集会特集 シンポジウムB
老年看護援助方法と効果性の追求
老年看護援助方法と効果性の追求
水野 敏子
1
,
堀内 ふき
2
1東京女子医科大学看護学部
2茨城県立医療大学保健医療学部
pp.30
発行日 2003年3月15日
Published Date 2003/3/15
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- 文献概要
人権意識が高まる中で,質の高いケア提供が期待されている.看護職に求められている能力は年々拡大し,複雑になってきているが,そのような中で看護職は高齢者に対して何ができ,何ができないかを社会に対して明確にしていく必要があると考える.そのためには有効な援助方法を見いだし,その効果や有効性の限界を明らかにし,援助方法が実践の場に広く反映できるような仕組みが必要である.実践科学である看護は,実践家と研究者が連携して老年看護学を確立し,同じ目標に向かって看護の質を高めていくことが重要である.現代はチームケアの時代であり,看護が効果を上げることができる分野を他のチームメンバーに示していくことが必要である.高齢者に対して効果的な援助を提供するためには,どのような問題意識をもち,どのように行動すればよいのか,どのようにしたら効果が明確になるのか等について3人のシンポジストにシンポジウムの討論を踏まえて意見を頂き掲載することになった.
最初に田中靖代氏にはライフサポーターとしての立場から,摂食・嚥下障害へのアプローチについて述べて頂いた.田中氏は摂食行動を整えるとは,単に食行動を改善する働きかけだけでなく,他の生活行動を整えることが食行動の改善につながることから,関連性を考える視点が重要であると述べている.田中氏が責任者となり,開所している「気の里」で行われている集団療法の目的や内容,嚥下機能との関連性について説明を加えている.
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