Japanese
English
研究報告
ローカス・オブ・コントロール尺度に基づく2型糖尿病患者の求める食事療法指導の検討
A study on the diet therapy guidance needed by type 2 diabetic patients based on locus of control scale
木下 千恵
1
Chie Kinoshita
1
1恩賜財団済生会和歌山病院
1Saiseikai Wakayama Hospital
キーワード:
ローカス・オブ・コントロール尺度
,
食事療法
,
指導方法
,
2型糖尿病患者
Keyword:
ローカス・オブ・コントロール尺度
,
食事療法
,
指導方法
,
2型糖尿病患者
pp.143-153
発行日 2012年9月15日
Published Date 2012/9/15
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本研究の目的は,ローカス・オブ・コントロール(LOC)尺度を使用して個人の原因帰属を明らかにする.そして,原因帰属別・男女別に食事療法指導調査票から患者が求める指導方法を明らかにすることである.対象者は,2型糖尿病の入院患者172名(男性108名,女性64名)であり,LOC尺度と食事療法指導調査票を用いて聞き取りアンケート調査を行った.LOC尺度の得点は,28.66点の範囲に分布し,中央値は48.9点であった.LOC尺度の得点により対象者を,男女別に内的統制群,中間群,外的統制群に分け患者の求める指導方法を比較した.結果を内容から分類すると,男性の群間比較で「方法」の2項目と「協力」の2項目において,また各群における男女比較で「協力」の2項目と「賞賛」の2項目と「不安」の1項目において内的統制群男性に有意に中央値が高値となった.内的統制群男性は,食事療法の方法を指導いてもらいたいが,一人で行動に移しにいため不安を感じ,周囲の協力と賞賛を求めていると考えられる.一方女性では,各群における男女比較の結果,内的統制群が「協力」の4項目において,また中間群が「協力」の1項目において,更に外的統制群が「協力」の1項目において中央値が低値を示す傾向にあったものの有意な差は認められなかった.女性は,本人への指導を求める傾向があると考えられる.以上から原因帰属別・男女別で求める指導方法に違いがあると考えられるが,更なる実践での検討が必要である.
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