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Case 1
体重が増加しない,血糖値がふらつくのが心配で転院してきた47歳,1型糖尿病女性
現病歴:これまで検診などで異常を指摘されたことがなかった(過去最大BMI 22.0).45歳時2カ月間で4 kgの体重減少があり近医受診.高血糖が指摘されて糖尿病と診断される(ケトーシスなし,抗GAD抗体(抗グルタミン酸脱炭酸酵素抗体)1.6 U/mL,ICA陰性,甲状腺ホルモン正常).最初,経口血糖降下薬で治療されたが,血糖コントロールが悪く,速効型インスリン食前3回注射(9 u-3 u-5 u)が開始された.しかし,食べると血糖が上昇するので,食事に気を使うようになった.体重が増加しない,血糖値がふらつくことが心配で,当センター初診.
家族歴:糖尿病(-).
初診時所見:体重41.3 kg (BMI 17.1).腱反射正常.眼底AoAo.微量アルブミン陰性.HbA1C 5.1%.400 kcal朝食負荷試験CPR前値0.7 ng/mL,2時間値1.2 ng/mL.
Case 2
20歳時の会社検診でFBS 149 mg/dLを指摘された肥満した2型糖尿病男性
現病歴:中学校入学後,すでに肥満傾向であった.高校生時90 kgで,柔道とハンマー投げをしていた.21歳時の会社検診で初めて高血糖を指摘されて当センター紹介受診.
初診時身体所見:体重92 kg (BMI 30.5).腱反射正常.眼底AoAo.Cushing様顔貌なし.
検査所見:HbA1C 9.7%.微量アルブミン尿(-).
初診後経過:1週間の教育入院を希望し,1,600 kcalの食事療法のみで食後血糖値が120 mg/dL以下となり退院した.体重70 kg.HbA1C 5%台を保持していたが,その後通院中断した.5年後体重が90 kgになってしまい,糖尿病を心配して再受診した(HbA1C 9.4%).この時職業はタクシーの運転手となり,食事の時間が不規則となっていた.再度1,600 kcalの食事療法を開始し,6カ月後HbA1C 5%台になった(体重84 kg).しかし,2000年になり次第にHbA1Cが上昇してきたので,α-GI阻害薬,さらにメトホルミンを開始,さらにグリメピリドに変更するもHbA1Cの改善なく,30歳(2002年)になり1週間の入院.メトホルミンだけで血糖コントロールが良好となり,2カ月後HbA1C 5.5%,体重74 kgになった.退院6カ月後から食事療法のみでHbA1C 6.5%以下を保持できるようになった.
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