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研究報告
糖尿病療養指導士の認定資格を有さない病棟看護師の糖尿病看護実践の困難から考える有資格看護師の役割―A大学病院の調査から
Difficulties in diabetes nursing care: implications for role of certified diabetes educator nurses
原 千晴
1
,
佐藤 三穂
2
Chiharu Hara
1
,
Miho Sato
2
1北海道大学病院
2北海道大学大学院保健科学研究院
1Hokkaido University Hospital
2Graduate School of Health Sciences Hokkaido University
キーワード:
糖尿病療養指導士
,
糖尿病看護
,
病棟看護師
,
困難
Keyword:
糖尿病療養指導士
,
糖尿病看護
,
病棟看護師
,
困難
pp.163-171
発行日 2011年9月15日
Published Date 2011/9/15
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本研究は,糖尿病を持つ患者への看護を実践する上での困難の実態とその関連要因を明らかにすることにより日本糖尿病療養指導士の認定資格を有する看護師(以下,CDEN)の役割について示唆を得ることを目的とし,A大学病院に勤務する病棟看護師を対象に質問紙調査を実施した.回答の得られた436名(83.5%)の分析の結果,多くの看護師が糖尿病看護に関心や必要性を感じていたが,知識や実践において困難を抱え,また,実践に対する否定的な思いを抱えている現状が明らかとなった.これらの困難を対象者の特性の違いで検討した結果,知識や実践に対する困難は,卒後経過年数が短い人で高く,糖尿病専門病棟での勤務経験がある人で低かった.また,勤務病棟にCDENがいる人は,患者との目標共有や本音を引き出すことに難しさを感じ,実践に対する否定的な思いを持っていた.以上より,CDENの役割として,CDEN個々の活動に加えて,糖尿病を専門としない部署も含めた病院内全体を視野に入れた体制作りの必要性が示唆された.
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