第12回日本糖尿病教育・看護学会学術集会報告 ●教育講演
これからの生活習慣病予防活動―平成20年度から始まる特定健診・特定保健指導を視野に入れて
宮﨑 美砂子
1
Misako Miyazaki
1
1千葉大学看護学部
1School of Nursing, Chiba University
pp.59-65
発行日 2008年3月15日
Published Date 2008/3/15
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平成20年度から「高齢者の医療の確保に関する法律」に基づいて,「特定健診・特定保健指導」が開始される.従来の老人保健法や労働安全衛生法に基づく健診・保健指導との違いは,健診と保健指導の実施主体が医療保険者となり,メタボリックシンドロームに着目した早期介入と行動変容を目的とした保健指導に重点が置かれることである.これにより,生活習慣病の有病者・予備群を2008年から2015年までの間に25%減らす政策目標が明示されている.国は「標準的な健診・保健指導プログラム」を提示し,各医療保険者に対して,地域(職場)の実情に応じた創意・工夫ある事業展開を求めている(図 1).
生活習慣病の発症に至るまでには長い経過がある(図 2).つまり不適切な生活習慣が続くなかで,肥満などのリスクが現れ始める予備群の段階があり,次いで,肥満プラス追加リスクが2つ以上のメタボリックシンドローム診断基準該当の状態になり,さらに未受診や治療中断などにより心疾患,脳血管障害,人工透析などの重症化に至ることが少なくない.壮年期で脳梗塞や心筋梗塞の発症に至る事例に関して,過去の健診結果を突き合わせてみると,それらの経過が明らかである.
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