特集 どうなる 特定健診・特定保健指導
特定健診・特定保健指導の医療費に及ぼす影響
大櫛 陽一
1
1東海大学医学部基礎医学系医学教育・情報学
pp.593-596
発行日 2008年7月1日
Published Date 2008/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541101229
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特定健診・特定保健指導が従来の老人基本健診および労働安全衛生法に基づく職場健診と大きく異なるストラテジーは,次の2点である.1)医療費の削減を目的として,実施主体が保険者になった.2)健診の目的が「疾病の早期発見」(二次予防)から,「生活習慣の問題の発見」(一次予防)とされている.
この2点についての根拠となるデータは,三重県政府管掌健康保険(政管健保)の被保険者2,834人の健診結果と10年後のレセプトデータとの比較である1).この結果を全国5,700万人に拡大解釈して年間医療費が2兆円削減できるとした.しかし,一地域の余りにも少ない対象者の結果を約2万倍に水増しした結果は正しいものであろうか?また,カルテ調査ではなく,レセプトデータに基づいて医療費を推計しているが,レセプトに書かれた病名は医学的に正しいものであろうか?
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