特集 どうなる 特定健診・特定保健指導
特定健診・特定保健指導制度の概要
大西 証史
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1厚生労働省保険局総務課 医療費適正化対策推進室
pp.586-589
発行日 2008年7月1日
Published Date 2008/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541101227
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本年4月から,高齢者の医療の確保に関する法律(高齢者医療確保法)に基づき,特定健康診査(健診)および特定保健指導の制度が施行された.特定健診・保健指導の取り組みは,わが国におけるこれまでの生活習慣病対策の蓄積の上に立脚しつつ,医療制度改革の一環として,医療保険者を実施主体として導入されるものであり,学術面での近年の知見の蓄積に基づき,メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)の概念が形成されたことを踏まえたものである.
特定健診・保健指導は今後の生活習慣病予防対策の礎となる事業として予防に重点を置き,その重要性への理解促進を目指す国民運動(健やか生活習慣国民運動)のもとで展開される.同時に都道府県が作成する医療費適正化計画に位置づけられて進捗や実績の評価がなされ,糖尿病等の生活習慣病の有病者および予備群の減少を進めることを通じ,結果として,将来の医療費の伸びの抑制を目指す努力の一環として位置づけられるものである.
本稿では,特定健診・保健指導の概要を紹介することとしたい.なお,本稿の記述のうち意見にわたるところは筆者の個人的見解によるものである.
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