特集 原因追及ではなく「うまくいったこと」に着目する 探求アプローチのすすめ
—【コラム】—「探求アプローチ」への期待
橋本 廸生
1,2
1日本医療機能評価機構
2横浜市立大学
pp.562-563
発行日 2025年7月10日
Published Date 2025/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.091713550350070562
- 有料閲覧
- 文献概要
- 参考文献
⦿「それで,医療は安全になったのか」
某国立大学の医学部4年生に医療安全学の講義をしている。臨床実習の直前なので,現場の実際的な内容を援用しながら医療安全の概念枠の理解を目的に行っている。安全を自分のアタマで考えられる医師に育ってほしいからである。現場は医療を考える示唆に富んでいる。良いフレームワークが有れば成長の糧になるが,無ければ困惑の種になる。
昨年の授業の終わりに1人の学生から質問があった。「それで,医療は安全になったのですか。どこの国の医療がいちばん安全ですか」というものである。率直な疑問であるが,最難問である。私たちはいまだに答えを持ち合わせていない。
Copyright © 2025, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.