第2回日本糖尿病教育・看護学会学術集会報告 ●シンポジウム
教育困難例へのアプローチ―インスリン導入患者への看護のかかわり
河口 てる子
1
,
嶋森 好子
2
Teruko Kawaguchi
1
,
Yoshiko Shimamori
2
1大阪大学医学部保健学科
2東京都済生会向島病院
1School of Allied Health Sciences, Faculty of Medicine, Osaka University
2Tokyo Saiseikai Mukojima Hospital
pp.36-37
発行日 1998年3月15日
Published Date 1998/3/15
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糖尿病教育を行っている多くの病院では,インスリン注射指導に関して注射技術の習得に対するチェックリストなどが作られている.しかし,インスリン注射導入時の指導・かかわりは,実践報告にしても,研究にしてもあまり報告されていない.
最近,小児の頃からインスリン注射を行っている患者だけでなく,老年期に入ってからインスリン注射が必要となるケースが増えつつある.老年期に入ってからのインスリン注射は,患者にとって心理的に,また技術的に困難が大きいと思われる.実際,インスリン注射を拒否する患者も次第に目立つようになってきている.それらは,注射が医療処置であることや自分の皮膚に自分自身で注射針を刺さなければならない恐怖,インスリン注射をするほどの重症であることを受け入れたくないなどのいろいろな理由でインスリン注射に抵抗を示すようである.
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