ベッドサイドの看護
心身症患者への交流分析的アプローチの試み
佐々木 静
1
,
家弓 ミワ子
1
1国立岡山病院心療内科病棟
pp.384-388
発行日 1978年4月1日
Published Date 1978/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661918366
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はじめに
心療内科の看護において患者の心理を知るには,まず看護婦自身の心の動きを知ることが重要なポイントになる.すなわち患者に対して個人的な感情や偏見を向け,わけもなくイライラしたり,不必要に厳格になるなどの,看護婦の心のゆがみや感情的な傾向を自覚し,できうる限り健康で自由に開かれた感情を持ち,患者の問題を正しく理解し,真に相手を理解するよう努力する必要がある.
我々は一心因性喘息患者の看護にあたり,そのどん欲なまでに激しい欲求不満を受け止め切れず,患者の感情の中に巻き込まれてしまい,患者心理に対抗するような不適応を生じた.この失敗例を通して,なぜこのような反応を起こしたのか,反応を生じた時,我々はどのように対処していったらよいのか,看護婦各々の心の姿勢を見直し,今後の看護に生かす機会を得たので発表する.
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