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日本看護倫理学会第16回年次大会 特別講演Ⅲ
倫理的組織文化をつくる(看護管理と倫理)
Creating an ethical organizational culture
勝山 貴美子
1
1横浜市立大学大学院医学研究科看護管理学分野
pp.97-98
発行日 2024年3月20日
Published Date 2024/3/20
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- Abstract 文献概要
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倫理的組織文化をつくるとはどのようなことだろうか。なぜ、組織の文化が重要視されるのだろうか。まず手掛かりとして「病院看護管理者のマネジメント」1に注目したい。というのは、どのラダーの段階にも「倫理的な課題を日常的に議論できる組織文化をつくる」と記載され、それが看護管理者に期待されているからである。〈組織管理能力〉のレベルⅠ-Ⅳにおいてスタッフ、自部署、看護部門、病院と対象とする範囲が異なるがいずれにも「倫理的課題を日常的に議論できるような組織文化をつくることができる」と記載されている。倫理的な「組織文化」とは何か。簡単につくれるものなのだろうか。どのようにつくっていけるのだろうか。
「組織文化」とは、組織成員が生み出し、共有している価値観・信念・哲学・考え方・規範2と定義される。組織文化は人々が学習し共有された暗黙の仮定であり、その組織の構成員の態度や行動に影響を与えることが多くの先行研究により実証されている。ここで大事なのは、文化は組織の構成員ひとりひとりがつくり出すものだということだ。本稿では3つの実例を紹介し、この事例から臨床現場の個々のケースに見いだされる倫理問題を臨床倫理の視点で見つめることの重要性とその状況に組織としてどのように対応し、倫理的な組織文化をつくっていくのか、いけるのかをマネジメントの視点で考えたい。
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