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日本看護倫理学会第16回年次大会 教育講演Ⅰ
人の物語に触れること:なぜそれはケアなのか
Approaching the patient's story: Why it constitutes care
宮坂 道夫
1
1新潟大学
pp.99-100
発行日 2024年3月20日
Published Date 2024/3/20
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「人の物語に触れること」が、ケア実践の中で重要な意味をもつのだということを、看護職の多くがよく理解しているように思う。しかし、それが具体的にどのような実践であるのかとか、なぜそれが重要なのかを言葉で説明することは難しいと、感じている人も多いのではないだろうか。演者は物語(narrative)という概念を手がかりに、倫理やケアについて考えてきたが、本講演では、「人の物語に触れること」がなぜケアとして成立しうるのかを論じた。
そもそも、物語とは何を意味するのか。この概念の定義が非常に多様であることは、多くの人が指摘してきた1。もともとは、小説や演劇、あるいは民話や神話のように、創作されたり、伝承されたりしてきたものとしての物語が、学術研究の対象になったのだった。そのために、物語についての理論である物語論(narrative theory)は、そういった類いの物語を分析して、物語に見いだされる普遍的な特徴を明らかにしてきた。
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