Japanese
English
レター
ナラティブを用いて看護倫理を教える・学ぶ:患者の拘束を解いた看護から
Teaching and learning nursing ethics using narratives: Example of a nurse removing a patient's restraints
磯野 たえ子
1
,
大石 志津
1
,
小村 博昭
1
,
芝田 寛子
1
,
山下 早苗
2
,
小西 恵美子
3
Taeko ISONO
1
,
Shizu OOISHI
1
,
Hiroaki KOMURA
1
,
Hiroko SHIBATA
1
,
Sanae YAMASHITA
2
,
Emiko KONISHI
3
1静岡県立大学看護学研究科博士前期課程
2静岡県立大学看護学部・看護学研究科
3鹿児島大学医学部
1Pre-doctoral Programs, Graduate School of Nursing, University of Shizuoka
2School and Graduate School of Nursing, University of Shizuoka
3Faculty of Medicine, Kagoshima University
キーワード:
ナラティブ
,
身体拘束
,
看護倫理教育
,
narratives
,
patient's restraints
,
nursing ethics education
Keyword:
ナラティブ
,
身体拘束
,
看護倫理教育
,
narratives
,
patient's restraints
,
nursing ethics education
pp.71-74
発行日 2024年3月20日
Published Date 2024/3/20
- 販売していません
- Abstract 文献概要
- 参考文献 Reference
1.はじめに
われわれの大学院「看護倫理」の授業では、学生のほとんどが看護経験をもっており、教員は学生に「心に残る看護体験」のナラティブを、自分を主語に、「倫理」という言葉にこだわらずにいつもの言葉で、書いてもらっている。学生には事前に、「各人のナラティブをクラスで共有し、全員でDiscussionします。一つのナラティブの持ち時間はDiscussionを含めて30分程度です」と伝えている。看護師のナラティブにはケアの相手、ケアする側、また職場環境の様子が詰まっていることが多い。看護する者の心意気、悩み、後悔、喜びなども語られる。そこが、事例検討に用いるいわゆる「事例」とは異なる点だ。ナラティブが描く状況を、クラスの皆が我がことのように体験し、自分のケアと重ね合わせ、看護を振り返り考える。こうして「看護倫理」の授業は、看護実践とその倫理の大きな学びとエンパワメントの場となっていく。次項は、そのようなナラティブの一つである。大学院学生A(以下、A)が、患者に実施されていた身体拘束を、看護チームの協力を得ながら徐々に解除し、退院に至った実践を記している。
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