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総説
学士課程における「看護倫理」教育のあり方─ジョン・ロックの教育論を分析の基礎に
The State of Nursing Ethics Education in Undergraduate Education : Based on an analysis of John Locke's Education Theory
吉澤 千登勢
1
Chitose YOSHIZAWA
1
1順心会看護医療大学
1Junshin-kai University of Nursing and Health Sciences
キーワード:
看護倫理
,
看護倫理教育
,
ジョン・ロックの教育論
,
nursing ethics
,
nursing ethics education
,
John Locke Education Theory
Keyword:
看護倫理
,
看護倫理教育
,
ジョン・ロックの教育論
,
nursing ethics
,
nursing ethics education
,
John Locke Education Theory
pp.11-17
発行日 2007年12月30日
Published Date 2007/12/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.7009200009
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序論 問題の設定─「看護倫理」教育は必修化されるべきか─
近代思想史の中で、いち早く教育の重要性を指摘したのが、英国のジョン・ロック(1632─1704年)である。彼は、教育について、「われわれが出逢う万人の中で、十人中九人までは、良くも悪くも、有用にも無用にも、教育によってなるものだと言って差し支えない・・・・・。教育こそ、人間の間に大きな相違をもたらすものである1)」と主張した。
2004年に文部科学省は、「看護学の学士課程卒業時の看護実践能力の到達目標(看護実践能力育成の充実に向けた大学卒業時の到達目標)」において、①人の尊厳を重視し人権擁護を基本に据えた援助行動をすることができる、②利用者の意思決定を尊重した代弁者役割を遂行することができるなどの倫理的目標を明示した2)。しかし、「保健婦助産婦看護婦学校養成所指定規則(看護カリキュラム)」において、現在、『看護倫理』や『倫理』は必修科目として位置づけられてはいない。同年の文部科学省のデータをみても、①『看護倫理』に関する科目を開講している看護系大学は119校中31校であった。また②『看護倫理』を必修としているは、119校中わずか20校であった3)。さらに同年に『看護倫理』担当者を対象に実施した調査においても、「倫理」に関する独立科目は104校中36校しか開講していないことが示された4)。
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