Japanese
English
巻頭言
Z世代のケアイメージから見る看護人材確保へのいばらの道
A thorny path for recruiting nursing personnel from a glimpse into generation Z's image of care
太田 勝正
1
Katsumasa OTA
1
1東都大学
1Tohto University
pp.1-2
発行日 2024年3月20日
Published Date 2024/3/20
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Z世代という1990年代後半から2010年代初めに生まれた世代がいま社会の注目を集めている。その最初の年代はすでに社会人として活躍をはじめており、看護や介護の分野でも今後の人材獲得という側面だけではなく、新人育成と離職防止の両面からの議論が散見される。Z世代の一般的な特徴としては、デジタルネイティブであること、自己承認欲求が強いことなどが知られている。時代によって人々の価値観が変化するのは当然であるが、この新たな世代を受け入れる看護や介護の現場には戸惑いがあるようである。石村1は、「メモをして」と言わないとメモを取らないこと、指示されたことはできるが自分たちから発信することはない受け身であること、必要以上に失敗を恐れること、コミュニケーションが苦手で、敬語がうまく使えないことなどを指摘している。野々村ら2は少し別の角度から、SDGsや災害など社会的関心が強く、社会貢献度の高い事業への興味が強いとする一方で、価値観を損なうような嘘などに敏感で経営理念に即していないスタッフの活動を垣間見るとモチベーションが著しく低下することなどを指摘している。
私たちは否応なしに、この新しい世代を看護の世界に迎え入れなければならない。単に今までと違う価値観の世代だと漠然に捉えるのではなく、まずはその共通の特性とともに、私たちの看護の核となる「ケア」などへの意識、関心等についても知ることが、Z世代を構成する一人ひとりの理解を深める上で大切だと考える。
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