憧れのジェネラリストが語る「努力はこうして実を結ぶ!」・11
「いばらの道」を「バラ色の道」へ
上田 剛士
1
1洛和会丸太町病院・救急総合診療科
pp.1061
発行日 2015年11月15日
Published Date 2015/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429200397
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医学の道は「いばらの道」か?
私が憧れたジェネラリストの話です.まだ研修医だった私は,自分の理解を超える患者さんが来院すると,「よくわからないし,嫌だなぁ」と思ったものでした.診断はおろか,検査もどうすれば良いのかも全くわからないため,その先生に相談すると,「面白い病歴ですね」と言われ,立て続けに追加で確認すべき病歴や身体所見についてアドバイスされました.
その臨床能力の高さよりも,「よくわからない=面白い」と言われたことに驚きました.当時の救急外来は,研修医だけで回していると言っても過言ではない病院も多数あり,“泣きそうになりながら必死に患者を診る”,というのが主流だったかもしれません.そのような状況で,好きで歩み始めた医学の道を,「いばらの道」といつの間にか勘違いしていた自分に気づきました.
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