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日本看護倫理学会第3回年次大会 基調講演
看護ケアの姿勢を表現する倫理
Ethics expressive of care-givers' attitude of nursing
清水 哲郎
1
1東京大学大学院人文社会系研究科
pp.78-79
発行日 2011年2月10日
Published Date 2011/2/10
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- Abstract 文献概要
医療・看護現場で「倫理」が話題になる状況は、何か倫理的にまずいことを医療者がしたというので、社会的に非難されるというような場合が多いだろう。こういう経験を通して、倫理を煙たいもの、自分たちの活動を制約するものと思う傾向があるのではないだろうか。だが、倫理は本来そういうものではない。倫理は医療従事者が本来とっているケアに臨む姿勢を意識化したものに他ならず、つまりは、第三者(例えば医療・看護倫理の専門家)から教えてもらうまでもなく、すでに医療従事者の中にあるものである。そのように理解することによって、倫理を既に自らコミットしているもの、自分たちのケア活動を支えてくれるものとして、自らの内に見出すことが、臨床倫理、看護倫理について理解する第一歩であろう。
ここでは、臨床倫理に絞って考える。臨床倫理は、臨床現場でケアに携わる方たちが、患者・家族と向き合い、また寄り添いながら医療・看護を進める際に、どのように対応していくのが適切かを、個別事例ごとに考える営みである。看護倫理には、看護職固有の部分と、医師等の他職種と共通の部分、さらには一般市民と共通する部分があると考えられるが。臨床倫理は、医療・介護従事者に共通のものであり、看護倫理と実質的には大きく重なる領域である。
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