レポート
"姿勢"への取り組み—ポーランドにおける姿勢教育
清和 洋子
1
1中央大学
pp.194-195
発行日 1978年3月10日
Published Date 1978/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662205961
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ポーランドの学校保健や市民の生活から
私は1960年代半ばまで高校の体育の教師をしておりました。その後,1970年代初頭までの数年間,ワルシャワ体育アカデミに留学しました。その間,折にふれて日本とポーランドのいろいろの仕組みを比較しながら双方の問題点をあれこれと考えたりしました。その中でポーランドの学校保健の仕組みをうらやましく思いました。毎年身体検診が行われるのは日本と同じですが,その処置が医療まで一環して行われていることです。
かつて私が在任した日本の学校では生徒の脊柱異常は身体検査表に記入されても全く処置された記憶がありませんが,ワルシャワでは姿勢に異常のある児童・生徒のための矯正体操や姿勢矯正の特殊水泳指導が週に2回,あるいは3回行われています。私はこうしたプールで特殊指導をしている友人の職場を何度も尋ねました。最初に特殊指導を受けているグループに接した時,私は普通の水泳指導グループのメンバーに接している感じでした。中には立派な体格の持主もいて思わず「あの子がどうしてここに来ているの?」と友人に尋ねますと,「彼は練習を止めると姿勢が悪くなってしまうのよ。」という答が返ってきました。そのプールは1週間のスケジュールが全部このようなリハビリテーションのグループでつまっていました。そして定期的に医師がチェックする仕組みになってもおります。
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