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問いかける姿勢
遠
pp.17
発行日 1961年7月1日
Published Date 1961/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611202155
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言つてしまえばこういう事だ.何かといえば酸素が足りないの一点ばりで流量計から保育器へドンドン酸素を入れる.また往々にしてそれで好転するのである.それはいい.しかし,なぜそれで好転するのか,さもなくば,いつたいどれ丈の酸素量をいつも保育器に保ち,なぜ応急時には量を増すのか,限度があるのか,あればどれだけが限度で何故か.これらの問いは実は非常に難問で医師でもそうは簡単に答えられない類のものなのだそうだ.ただ,こうした疑問,自分の仕事への絶えざる前向きの問いかけは助産婦に禁じられている訳ではさらさらない筈だ.むしろ疑問が,自分自身への問いかけが,仕事の上の誠実や熱意につながり,ムダをはぶきより効果的に助産婦業務を合理化し進歩させる筈だ.
時間がないから勉強できないのでなく,この問いかける姿勢がないから勉強しないのではないか.
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