◆特集 臨床実習を考える
一国産製作業療法士の臨床実習雑感—内発的動機の点検していますか?
酒井 ひとみ
1
1YMCA米子医療福祉専門学校
pp.300
発行日 1996年8月15日
Published Date 1996/8/15
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- 文献概要
臨床実習を受けたのは,今やほとんどの記憶が美しい思い出に化そうとしている二昔前のことである.1年次に身障・精神・発達障害分野で各1週間,2年次に身障・精神分野で各3週間,3年次で身障・精神・発達障害分野で各8週間の計33週間,諸先生方に本当にお世話になった.学校での授業とは異なって緊張場面の連続であったが,未知の作業療法の世界を知る経験は,何事にも換え難い魅力があった.実習中は,辛いのは当たり前と,鍛えられのを楽しみにしていた.厳しいと評判の実習地は志願者が多く,希望が1カ所やっと叶う状態であった.臨床実習指導者の存在は,反面教師的な部分も含めて,己の近未来の作業療法士像に大きな影響を与えた.そして,狭い日本の作業療法士界のこと,卒後も大いに指導や支援を受け,良い意味での師弟関係が存続している.
臨床実習を提供するようになったのは,卒後4年目の長期講習会受講後からであった.提供する立場になって初めて臨床実習指導者の苦労と要求される力量の大きさを知った.私は作業療法士5人の職場に従事していた.そのうち,1人の作業療法士が見学実習を一手に引き受け,4人の作業療法士が4年に一度短期・長期の臨床実習責任者となり年間の実習調整をし,学生を分担して受け持っていた.評価実習も含めれば毎年3〜4校から受けており,産休期間を除けば必ず毎年学生を指導していたことになる.
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