Japanese
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特集 脳と心の謎はどこまで解けたか
やる気─内発的動機づけの神経科学
Motivation:neuroscientific approach to intrinsic motivation
村山 航
1,2
,
松元 健二
2
Murayama Kou
1,2
,
Matsumoto Kenji
2
1Department of Psychology, Faculty of Life Sciences, University of Reading
2玉川大学脳科学研究所
1Department of Psychology, Faculty of Life Sciences, University of Reading
pp.19-23
発行日 2015年2月15日
Published Date 2015/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425200097
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やる気の問題は多くの人の心を悩ますところである。“生徒のやる気がなくて困っている”“部下のやる気をもっと高めたい”という話はよく聞くし,“自分のモティベーションをどのように保てばいいのか”という悩みも多いし,私自身もよく悩む。どうしたらやる気を高めることができるのであろうか。この問いに対して,つい最近までの神経科学の答えはシンプルであった。それは“外的な報酬を与えればよい”である。外的な報酬とは,金銭や食べ物などのことである。こうした外的な報酬は,脳内の報酬系(図1)を賦活させ,外界への注意を促進し,やる気を高める作用があることが多くの研究で明らかになっている1,2)。実際,神経科学の研究で“動機づけを操作する”と言うと,被験者を空腹にさせたり,お金を与えたりすることがほとんどである3,4)。
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