◆研究と報告
手工芸活動に対する脳卒中退院患者の評価
進藤 図南美
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1弘前大学医療技術短期大学部
pp.33-41
発行日 1987年8月15日
Published Date 1987/8/15
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はじめに
作業療法を特徴づけている治療手段として,種々の作業活動がある。それら作業活動の治療的意味の重要性については,諸家1)〜5)により強調されているが,作業種目の選択基準やその治療効果については曖昧なところがあり,作業活動を科学的に取り扱う際,より多くの困難が生じやすい傾向にある。寺山6)は,作業活動そのものをとりあげて研究する姿勢がきわめて少なく,作業活動が人間の心身にどんな影響を及ぼすかなどの学問的体系の必要性を指摘している。作業活動の中でも,織物,陶芸,革細工などの手工芸活動は,さまざまな疾患に幅広く適用されている。以前に行った筆者らの調査によれば,手工芸活動による治療訓練時間は,1回の作業療法のうち,35〜75%を占めていた7)。
今回筆者は,入院中に行われた手工芸活動が,患者にどのような心理的影響を及ぼしていたか,また現在どのように受けとめられているのかを知るために,脳卒中退院患者を対象にアンケート調査を行ったのでその結果を報告する。
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