◆ケーススタディ 地域
地域通園施設における作業療法—症例を通して
大谷 妙子
1
1調布市あゆみ学園
pp.42-45
発行日 1987年8月15日
Published Date 1987/8/15
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はじめに
地域通園施設における作業療法士のかかわり方は,その地域の特殊性による対象児のちがいや,施設の指導方針などにより様々な形式をとっているのが現状である。その中で作業療法士は対象児の全体像を把握するために,保母・指導員・看護婦等と連携をとることは必須であり,また個別的訓練目標をどのように実施すべきか試行錯誤しているところである。
今回,両親の障害受容が不十分なために伸び悩んでいた脳性麻痺アテトーゼタイプの症例について,保母・指導員と同様な場面で作業療法士がかかわることにより,正確な問題点の把握と園全体として一貫した指導を行うことが出来たので報告する。またこの症例を通し地域通園施設における作業療法士のかかわり方について言及したい。
当園の概要と作業療法士のかかわり方
市内に在住する0歳〜就学前の障害児通園施設で,定員50名の法外施設である。職員は園長,指導員5,保母7,看護婦1,OT1,運転手2の常勤職員と,ST・PT1名ずつの非常勤職員で構成されている。障害児が家庭や地域の中で育ってゆくことを第一の目標とし,作業療法は保育と分離して実施されるのでなく,子どもたちの生活全てをactivityととらえ,保育プログラムの中にとり入れて行われている。そのため作業療法士は課題保育・食事・午睡・母(父)との面談・家庭訪問に他職種と同様に参加し,保育分野と一貫した作業療法の提供を行っている。
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