◆特集 管理・運営・組織
管理・運営・組織—1人職場
大丸 幸
1
1北九州市立ディ・ケアセンター
pp.13-19
発行日 1986年2月15日
Published Date 1986/2/15
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はじめに
これまでの精神科医療は,入院という治療構造上,家族の肩代わりをさせられて家族と馴れ合いになったり,衝突したりすることが多かった。同様に病者の生活を管理する病棟ナースと,作業療法という場面だけで接する作業療法士との間には,病者がそれぞれの場面でみせる姿の違いにまきこまれて衝突することが多かった。こうした衝突を自分自身の問題としてやめていく人もあれば,被害者・先覚者精神で頑張り通す人もあったように思う。筆者もそうした体験をふまえながら,これからの作業療法が発展するには ①治療構造を共有できること ②チーム医療の中で起ってくるスタッフの力動にも目を向けられること ③集団療法の体験によって他者を通しての自分の姿を受け入れたり他者に相談する力を養うこと という三つの要素が不可欠となることを学んでいる。このことを実際の症例を通して考察してみたい。
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