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教育講座
慢性腰痛に対する多面的リハビリテーションとその手法—「痛みの多層モデル」を踏まえた治療戦略
Multifaceted Rehabilitation for Chronic Low Back Pain and Its Methods : Treatment Strategies Based on a Multi-layered Model of Pain
松平 浩
1,2,3,4
Ko Matsudaira
1,2,3,4
1Tailor Made Back pain Clinic
2福島県立医科大学医学部疼痛医学講座
3参宮橋脊椎外科病院
4順天堂大学医学部麻酔科学・ペインクリニック講座
キーワード:
非特異的腰痛
,
運動療法
,
認知行動療法
,
腰痛アプリ
,
DTx
Keyword:
非特異的腰痛
,
運動療法
,
認知行動療法
,
腰痛アプリ
,
DTx
pp.605-614
発行日 2023年7月18日
Published Date 2023/7/18
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- 参考文献 Reference
はじめに
—本邦の診療ガイドライン—
腰痛は,世界の主要な健康問題(disabilityを伴う原因の第1位)であり,disabilityは,働き盛りの年代で最も高くなる1).さまざまな生物心理社会的要因に影響される複雑な症候であり,精度が高い的確な原因の特定が容易ではない2).一方,「腰痛診療ガイドライン2019」(以下,腰痛GL)で推奨度・エビデンスレベルとも1B判定と高い治療介入は,慢性腰痛に対する運動療法,および腰痛に対する薬物療法である3).2021年発刊の「慢性疼痛診療ガイドライン」(慢性痛GL)でも,慢性腰痛に対する運動療法は1B判定であった4).さらに,慢性痛GLでは,慢性腰痛に対する集学的治療が最高判定の1A,腰痛が最も多い慢性痛全般に対する認知行動療法および患者教育を組み合わせた運動療法が1B判定であった4).以上より,少なくとも慢性非特異的腰痛に対しては,運動療法を主軸とした集学的治療が求められる.
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