JARM NEWS【REPORT】
第38回日本義肢装具学会学術大会/第52回日本臨床神経生理学会学術大会
髙橋 忠志
1
,
中馬 孝容
2
1東京都立荏原病院リハビリテーション科
2滋賀県立総合病院リハビリテーション科
pp.263
発行日 2023年3月18日
Published Date 2023/3/18
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- 文献概要
2022年10月8日(土)〜9日(日)に第38回日本義肢装具学会学術大会が人間総合科学大学教授 坂井一浩大会長のもと新潟の朱鷺メッセで開催された.テーマは「義肢・装具,支援機器のエビデンス構築へ向けて」であり,国内外からの講演をはじめエビデンス構築に向けて議論を行うシンポジウムが多く組まれていた.また,本学術大会は義肢・装具,支援機器など,展示されてあるものに実際に触れることで理解が深まるので現地開催を基本としつつ,COVID-19の拡大状況で発表者はオンラインを選択することが可能であり,会期後にはオンデマンド配信も行われた.
筆者はシンポジウム3「脳卒中歩行障害に対する装具療法のエビデンス」にシンポジストとしてオンライン参加した.脳卒中歩行障害の装具療法について,急性期,回復期,生活期の装具療法の実際を義肢装具士2名(村山稔氏,川場康智氏),理学療法士2名(筆者,中谷知生氏),医師1名(勝谷将史氏)がそれぞれの立場から講演し,長下肢装具(KAFO)に関しては論文のすべてが日本からのものであり,日本がKAFOのエビデンスを構築していることが示された.また短下肢装具(AFO)はエビデンスが蓄積されているが,即時効果の報告がほとんどであり,長期使用時の効果に関する報告が少ないことや異なるAFOの比較研究が少ないことなどが問題点として挙げられた.
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