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2006年10月21日から22日にかけて,第22回日本義肢装具学会学術大会が熊本市で熊本機能病院の米満弘之先生を大会長として開催された.会場は鶴屋ホール,熊本の老舗百貨店鶴屋東館内にあるホールで,会場入りした際の第一印象は「狭いなぁ」だった.ちょうど熊本市民会館が改装工事中だったとのお話だが,いざ学術集会が始まると第1から第3会場が狭いと感じることはまったくなかった.ただ,商業展示会場に関しては例年に比べどの展示ブースもコンパクトにまとまっており,会場配置の苦労がうかがわれた.しかしこの会場,地の利は良好で,熊本の商業地域の真ん中にありランチョンセミナーに入れなかった時の昼食や,熊本名産の馬肉料理,ラーメンなどを食べに行くのには大変便利なところであった.余談だが,鶴屋百貨店は本館と東館の連絡通路が2つあり,一つは2階と3階,もう一つが5階と7階を連結しているため,移動のたびに少しばかり混乱した.
さて,開会式に続いて米満先生による「高齢者の整形外科的疾患と義肢装具」に関する会長講演が行われたが,高齢大腿切断者に多軸膝継ぎ手を試したものの,最終的に単軸固定膝に落ち着いた症例の紹介があった.われわれの施設でも最近は,血流障害に伴う高齢大腿切断例が増えており,とくに近隣に血液透析とリハビリテーションを兼ね備える医療機関が存在しないことから,高齢で慢性腎不全(血液透析)・切断といった多重障害の切断例の治療に取り組むことが多い.高齢で血液透析を導入されている患者は合併症も多岐にわたり,断端周径の変化もあり,義足歩行獲得にも苦労することが多く,どの医療機関でも同じような苦労があると実感するとともに,今後の多重障害切断者へのさらなる取り組みの必要性を感じた.
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