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特集 非がん性疾患の緩和ケアとリハビリテーション医療
循環器疾患—心不全終末期における心臓リハビリテーション:緩和ケアとの共存
Cardiac rehabilitation for the patients with terminal stage of heart failure: coexistence with palliative care
白石 裕一
1,2
,
的場 聖明
1
,
三上 靖夫
2
Hirokazu Shiraishi
1,2
,
Satoaki Matoba
1
,
Yasuo Mikami
2
1京都府立医科大学循環器腎臓内科
2京都府立医科大学リハビリテーション部
1Department of Cardiovascular Medicine, Graduate School of Medical Science, Kyoto Prefectural University of Medicine
2Department of Rehabilitation Medicine, Graduate School of Medical Science, Kyoto Prefectural University of Medicine
キーワード:
心不全
,
緩和ケア
Keyword:
心不全
,
緩和ケア
pp.1265-1271
発行日 2024年12月10日
Published Date 2024/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552203280
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はじめに
心不全は冠動脈疾患,弁膜症,心筋症,高血圧など多くの心臓疾患を背景にして発症する終末像である.どの年齢でも発症するが特に高齢者に多く発症し,心不全患者の約70%を75歳以上の高齢者が占めており,“心不全パンデミック”とよばれるように社会的にも非常に大きな問題となってきている.フレイルやサルコペニア,低栄養,脳血管疾患や骨関節疾患,うつや認知症など合併疾患も増加しているため,リハビリテーションの面からも,心臓の直接的な治療のみならず全身にわたるさまざまな評価や介入が必要となる.
令和3(2021)年人口動態統計をもとに作成した心疾患の病類別に見た死亡者数の割合を図11)に示す.
2021年度には心疾患(高血圧性を除く)による死亡者数214,710人のうち,心不全による死亡者数が89,950人(およそ42%を占める)ようになった.進行した心不全症例では死に至ることもあるという理解のなかで,リハビリテーションを進めていく必要がある.
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