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教育講座
促通反復療法がめざす「患者に優しい」治療への展開—より効果的(効果/治療時間)な基盤的治療へ
Development of Repetitive Facilitation Therapy Aiming “Patient-friendly” Treatment;Progress to Basic and More Effective (Effect/Treatment Time) Treatment
川平 和美
1
Kazumi Kawahira
1
1促通反復療法研究所
キーワード:
脳卒中
,
麻痺
,
促通反復療法
,
電気刺激
,
併用療法
Keyword:
脳卒中
,
麻痺
,
促通反復療法
,
電気刺激
,
併用療法
pp.289-296
発行日 2021年3月18日
Published Date 2021/3/18
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はじめに
脳卒中例や脊髄損傷例へのリハビリテーション治療はその質と量が効果を左右することが認識されつつあり,今後もさらなる向上が求められている.
近年の脳卒中に関連する脳科学や急性期治療,再生医療の発展で明らかなことは1),①中枢神経系には大きな可塑性と錐体路以外にも多様な運動路の再建がある,②麻痺肢への積極的リハビリテーション治療は病巣自体の改善と機能回復を促進する,③神経細胞の脱落を抑え軸索伸長を促進することができるなどである.
リハビリテーション治療では,①麻痺改善を効率的に進めるニューラルモデュレーション(大脳皮質や神経路の特定の領域の興奮水準を調整する手法:磁気刺激,電気刺激,振動刺激,ボツリヌス治療など)と特定の神経路の強化法(促通反復療法や機能的電気刺激,強化作業療法,constraint-induced movement therapy〔CI〕,brain-machine interfaceなど)の併用療法の発展1)や②患者の習得目標に近い運動パターン2, 3)の反復が可能な訓練用ロボットの発展があって,より効率的に神経路の再建と強化を進める治療法が実現しつつある.
特定の神経路の再建と強化を「患者に優しい;試行錯誤をさせない」形で行うリハビリテーション治療に必要な条件を考えてみたい.
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