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特集 脳卒中後の上肢機能障害に対するリハビリテーション治療
8 仮想的に運動機能の拡張を体験させるアプローチ—視覚入力で誘導される運動錯覚
A Therapeutic Approach to Experience the Augmentation of Motor Function : Kinesthetic Illusion Induced by Visual Stimulation
金子 文成
1
,
川上 途行
1
Fuminari Kaneko
1
,
Michiyuki Kawakami
1
1慶應義塾大学医学部リハビリテーション医学教室
キーワード:
運動
,
錯覚
,
視覚
,
バーチャルリアリティ
,
脳卒中
Keyword:
運動
,
錯覚
,
視覚
,
バーチャルリアリティ
,
脳卒中
pp.821-827
発行日 2020年9月18日
Published Date 2020/9/18
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- Abstract 文献概要
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- 参考文献 Reference
要旨 脳卒中後に生じる上肢運動麻痺に対するアプローチとして,視覚入力により誘導する運動錯覚(kinesthetic illusion induced by visual stimulation:KINVIS)が注目されている.これは,仮想現実技術の中でも拡張現実を応用することで,身体意識の中で自己の運動機能を拡張することを体験させ,その結果として生理学的な効果を得ようとするものである.視覚入力で運動錯覚を誘導する方法として,鏡を使用した鏡療法によるものと,バーチャルリアリティ(VR)を用いるものがあるが,VRによるシステムでの脳卒中慢性期上肢麻痺患者への介入効果が認められている.特に,治療選択肢の限られている重度の上肢麻痺への治療ツールとして,神経筋電気刺激との併用など今後の臨床応用が期待されている.
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