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教育講座
下肢切断者のQOL評価に関する動向
Update on Quality of Life Measures for People with Lower Limb Amputation
坂井 一浩
1
Kazuhiro Sakai
1
1人間総合科学大学保健医療学部
キーワード:
下肢切断
,
義足
,
QOL
,
評価尺度
,
質問票
Keyword:
下肢切断
,
義足
,
QOL
,
評価尺度
,
質問票
pp.656-660
発行日 2019年8月16日
Published Date 2019/8/16
- 販売していません
- Abstract 文献概要
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- 参考文献 Reference
はじめに
平成25(2013)年版障害者白書によると,わが国における四肢切断者・児の総数は14万3,100人であり,このうち下肢切断者の割合はおよそ42.5%である1).周術期のリハビリテーション治療から切断術とその後の切断端管理,義足歩行の獲得に至るまで,切断者の社会復帰はチーム医療によってサポートされる.「根拠に基づく医療(evidence-based medicine:EBM)」に加え「価値に基づく医療(value-based medicine:VBM)」の考え方が確立される中2),切断者のリハビリテーション治療においても,対象者の生活の質(quality of life:QOL)からみたサービスの価値が問われている.2016年にDavie-Smithら3)が行ったシステマティックレビューにより,下肢切断者のQOLには「義足による歩行の可否」「切断レベル」「切断の原因疾患」「心理的な動機づけ」「生活環境」「社会的機能」が影響することがわかっている.リハビリテーション技術の提供者は,義肢の提供を含めた切断者へのサービスを価値化するために,対象者のQOLおよびこれに影響を及ぼす諸因子について知っておく必要がある.
そこで本稿では,特に欧米で行われている下肢切断者のQOLおよび義足のアウトカム評価に関する諸研究をもとに,最近の動向を紹介する.
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