Japanese
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教育講座
認知症に対するリハビリテーション医療—進行度に応じた対応とITの導入
Rehabilitation Medicine for Dementia : Approach According to Its Stage and Introduction of Intelligent Technology
近藤 和泉
1
,
鈴村 彰太
1
,
大沢 愛子
1
Izumi Kondo
1
,
Shota Suzumura
1
,
Aiko Ohsawa
1
1国立研究開発法人国立長寿医療研究センター
キーワード:
認知症
,
脳・身体賦活リハビリテーション
,
指タップ
,
傾聴ロボット
,
反応スケール
Keyword:
認知症
,
脳・身体賦活リハビリテーション
,
指タップ
,
傾聴ロボット
,
反応スケール
pp.767-772
発行日 2018年9月18日
Published Date 2018/9/18
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- Abstract 文献概要
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- 参考文献 Reference
はじめに
現在,日本では約462万人の認知症患者が存在し,さらに2025年にはそれが約700万人に達すると推計されている.認知症患者全体の約7割を占めるとされる1)アルツハイマー病(Alzheimer's disease:AD)は,その中核症状(認知障害,意欲・気力の障害など)以外に,周辺症状(幻覚・妄想などの精神症状や徘徊・異食などの行動異常,behavioral and psychological symptoms of dementia:BPSD)が出現する.ADを含む認知症患者のうち約80%がBPSDを有しているといわれており,特にADではその進行の早い時期からBPSDが出現し,介護者と患者のQOLの低下およびストレスの増大など,さまざまな問題を生じさせる.認知症に対する根治薬がまだ存在しないこともあり,BPSDに対して対症療法的な薬剤投与が試みられてきたが,その副作用のため認知機能や活動性を過度に失ってしまう高齢者も多く,薬物を使わない対処法,すなわち非薬物療法とケアが現在,中心的な位置を占めつつある.
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