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特集 ITとリハビリテーション
ITを用いた認知リハビリテーション―low techとhigh tech機器による認知症と記憶障害の生活支援
Cognitive rehabilitation by IT: support with low tech-high tech tools for people with dementia and amnesia.
安田 清
1,2
Kiyoshi Yasuda
1,2
1千葉労災病院リハビリテーション科
2京都工芸繊維大学総合プロセーシス研究センター
1Department of Rehabilitation, Chiba Rosai Hospital
2Holistic Prosthetics Research Center, Kyoto Institute of Technology
キーワード:
low tech
,
high tech
,
記憶障害
,
認知症
,
IT
,
メモリーエイド
Keyword:
low tech
,
high tech
,
記憶障害
,
認知症
,
IT
,
メモリーエイド
pp.21-25
発行日 2010年1月10日
Published Date 2010/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552101677
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はじめに
記憶障害は,情報が貯蔵できない,検索できない,あるいは活用できない情報障害と考えられる.認知症も記憶障害が中核症状である.例えば,トイレの位置情報が貯蔵できないために失禁に至る,退職後という情報が検索できず出勤しようとする,などが生ずる.したがって,適宜かつ迅速な情報支援が,記憶障害や認知症のリハビリテーションの要となる.そのため,最新のinformation technology(IT)を活用し,ADL(activities of daily living)の自立やQOL(quality of life)の改善を図る必要がある.これは,日常での問題解決を重視した外的補助記憶手段による認知リハビリテーションである.一方,訓練を主体にした認知リハビリテーションも行われている.例えば,見当識訓練や,人名などを間隔伸長法や誤りなし学習で記銘する方法などがある.それらは文献1)を参照されたい.
ITと聞くと高価で複雑なhigh tech機器を想像する.しかし,それだけでは生活全般を支援できない.廉価で簡単に情報の書き込みや参照ができるlow techメモリーエイドの開発も重要である.本稿では,筆者が開発したものや,市販の情報機器のメモリーエイドとしての応用,さらにhigh tech機器による認知リハビリテーションの試みなどを紹介する.なお,本稿では進行性の認知症を主に想定した.改善している記憶障害には,逆に重度から軽度に向けた方法を適応していけばよい.
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