Japanese
English
増大特集 加齢とリハビリテーション
第3部 加齢によって生じた課題への対応
11.ロボット,AIの活用
Application of robot and artificial intelligence
近藤 和泉
1
,
加藤 健治
1
,
高野 映子
1
,
鈴村 彰太
2
Izumi Kondo
1
,
Kenji Kato
1
,
Eiko Takano
1
,
Shota Suzumura
2
1国立長寿医療研究センター健康長寿支援ロボットセンター
2藤田医科大学保健衛生学部リハビリテーション学科
1Assistive Robot Center, National Center for Geriatrics and Gerontology
2Department of Rehabilitation, Faculty of Health Sciences, Fujita Health University
キーワード:
フレイル
,
認知症
,
バランス訓練
,
傾聴会話
,
回想法
Keyword:
フレイル
,
認知症
,
バランス訓練
,
傾聴会話
,
回想法
pp.751-755
発行日 2022年6月10日
Published Date 2022/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552202543
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はじめに
急速な高齢化と生産年齢人口の減少1)により,高齢者医療費の上昇,社会保障給付の増加,さらには福祉人材の不足,さまざまな高齢者施策のための財源確保が困難となることなどの問題がさらに顕在化されると予想されている.このように急速に進展している高齢社会で,われわれが取り組んでいかなければならない3つの大きな課題は,① 認知症,② フレイル,および③ エンドオブライフとされている2).これらの課題,特にフレイルに関して,高齢化に伴う労働資源の減少の中で,高齢者の生活を支え,可能であれば機能の改善・維持を計って健康長寿を実現するためには,ロボットの生活導入が不可欠であると予想される.
一方,高齢者の家族の調査では,負担がかかる介護の代行を中心として,ロボットに対する期待が大きい3).また高齢者の日常生活上のロボットニーズを調べるための研究では,現状ではロボットを使う希望は少ないながら,将来の生活,特に加齢に伴う機能の低下を考慮すると,高齢者がロボットを近いうちに使うことになるであろうと感じているとされている4).介護を前提としなくても,移動手段の確保,健康の維持,安全保持,および社会との交流などで必要とされている.しかし,このようなニーズに対応するためには,所有者の要求に応じてロボットが学習し,行動を修正できなければならないとされており5),このようなロボットの行動変容には人工知能(artificial intelligence:AI)の活用が必要となる.
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