Japanese
English
特集 若年脳卒中患者のリハビリテーション
復学
Return to school
深澤 聡子
1
,
上出 杏里
1
Satoko Fukazawa
1
,
Anri Kamide
1
1国立成育医療研究センターリハビリテーション科
1Division of Rehabilitation Medicine, National Center for Child Health and Development
キーワード:
復学
,
医教連携
,
障害受容
Keyword:
復学
,
医教連携
,
障害受容
pp.1117-1122
発行日 2015年12月10日
Published Date 2015/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552200443
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はじめに
わが国の医療現場において,脳卒中は遭遇する頻度の高い疾患であるが,その多くは成人である.成人の脳卒中患者に対する集中的なリハビリテーションを実施し,在宅生活および復職へと繋げている医療機関は数多く存在するが,若年脳卒中は稀であり,後遺症患者のライフステージに合わせた支援を実施している医療機関は少ない.さらに,患者が子供であった場合,急性期医療の後にリハビリテーションを受けられる施設が限られていることもあり,リハビリテーションセンターなどを経由せずに,自宅復帰するケースが多いということも特徴のひとつである.
脳卒中は,発症した時期が低年齢であればあるほど脳の可塑性は高いと言われ,成人のそれよりも長期に渡って回復がみられる.しかし,一方で生活年齢に伴って要求される課題が変化していくため,発症後暫く経ってから問題が顕在化することもある.よって,患者の発達やライフステージに合わせたアプローチが必要となる.また,患者が学齢期であった場合には,「学校」を視野に入れた介入が不可欠となる.
急性期から復学までのパターンは患者によってさまざまで,患者の数だけあると考えられるが,いずれの場合においても,学齢期の患者では,早期から復学を見据えてかかわることが重要である.
本稿では,若年性脳卒中患者の復学に関する概論に,当院での具体的支援の例を加えて解説する.
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