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昨年12月15日に日本専門医機構から一次登録領域別採用数が公表された.2年目研修医の約9割に当たる約8,000人の登録があり,リハビリテーション科専攻医プログラムに登録し採用されたのはそのうち66名であった.全体の約0.8%である.残念なことに,もともと基幹病院のない県を含め26県にリハビリテーション科専攻医がいないことになった.リハビリテーション科を津々浦々に浸透させていくためには,すべての都道府県にリハビリテーション科専攻医がいることが望ましい.そのためには少なくとも全国のリハビリテーション科専攻医のプログラム数である75以上の登録が必要である.すなわち約0.9%.どうしたら0.9%の壁を破ることができるのか.
あるリハビリテーション科専門医は,「ICUに積極的に介入し,リハビリテーション科が急性期医療に関与していることをアピールすべき」という.他のリハビリテーション科専門医は,「多職種の力で創意・工夫をして,身体障害をもった患者のできることを増やすことを見せるべき」という.また,あるリハビリテーション科専門医は,「患者,一人ひとりの在宅生活を支援し,新しい生活を再構築していくためのサポーターであることを強調すべき」という.どれが良い,どれが悪いもない.すべてがリハビリテーション科専門医の魅力である.日本リハビリテーション医学会は,リハビリテーション医学を,「障害を克服・機能を回復・活動を育む医学」としている.これは,まさに急性期医療・回復期医療・生活期医療の中でのリハビリテーション医学を示している.急性期医療・回復期医療・生活期医療のすべてにかかわり,それぞれの専門性をもつことがリハビリテーション科専門医である.
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