Japanese
English
綜説
血管壁の酵素活性
Enzymes of the Vascular Wall
細田 瑳一
1
Saichi Hosoda
1
1東京女子医科大学日本心臓血圧研究所
1Tokyo Women's Medical College, Heart Institute Japan
pp.212-220
発行日 1970年3月15日
Published Date 1970/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404202126
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血管は実質臓器に比して細胞成分に乏しく,特異な代謝を盛んに営む組織ではないので,その代謝の研究はおくれている。従来は,動脈硬化に関する生化学的研究も主として血清脂質,血圧,内分泌機能等血管外の因子の変動による受動的な面について行なわれてきた。しかし,血管も生きている組織であるから,当然他の組織と同様にほとんどあらゆる酵素活性を持っていることが明らかにされてきており,最近,Kirk1)およびZemplen—yi2)により夫々,血管壁の酵素に関する単行本が出版されるに至っている。
本稿では,Kirkらの人屍血管壁についての生化学的測定による成績を中心に,血管壁酵素活性の特徴とその変化について概観し,今後の問題を考えて見たい。
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