巻頭言
スタンダードなリハビリテーション医学を地域へ
近藤 国嗣
1,2
1日本リハビリテーション医学会
2東京湾岸リハビリテーション病院
pp.824
発行日 2017年11月17日
Published Date 2017/11/17
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- 文献概要
リハビリテーション医療は,2000年に制度化された回復期リハビリテーション病棟により,急速に拡大した.現在リハビリテーションにかかわる費用は入院医療費の約5%を占める.また,同時期に介護保険事業内に通所リハビリテーション,訪問リハビリテーションが位置づけられたことにより,生活期リハビリテーションも大きく拡大した.筆者はリハビリテーション科医を志して30年目になるが,このような時代が来ることを当時予測していた者は少なかったのではないだろうか.拡大の最大の要因は急速な高齢化に対応する施策によるものであることは間違いない.加えて,リハビリテーション関連職種の増加も大きく寄与している.理学療法士などのリハビリテーション関連職種は2000年以降,6倍弱に増加し,現在,有資格者は26万人を超えている.しかし,リハビリテーション科専門医は約3倍の増加(2,300人弱)に留まっており,療法士が専門医とかかわる機会減少が続いている.さらに専門医は大学病院や大規模病院に局在しており,地域医療の現場には少ない.
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