巻頭言
今まさに研究の推進を!
道免 和久
1
1兵庫医科大学リハビリテーション医学教室
pp.480
発行日 2017年7月18日
Published Date 2017/7/18
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- 文献概要
大学リハビリテーション科の責任者がタイトルのようなことを主張しても,当たり前のことと思われるかもしれないが,あえて今がまさにそのときであると言い切るには確固たる理由がある.
第1の理由は人材の充実である.昨年度の専門医試験の合格者が史上最多の140名となり,いよいよ多数の専門医を地域に送りだす時代が到来したといってよい.筆者はより多くの専門医が,幅広い分野の基礎研究や臨床研究を推進することを期待している.しかし,リハビリテーション科を志向する医師には,いわゆる「臨床志向」が強い人が多く,研究や学位に無関心な人も少なくない.これはきわめて危険である.臨床実践のためには,臨床研究によるエビデンスが必須であることはもちろん,基礎研究の成果を踏まえたトランスレーショナルリサーチを具現化する不断の努力が必要である.これを怠っているとリハビリテーション医学はあっという間に,陳腐な分野として消滅する危険性すらある.
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