特集 石川県における保健所保健婦の今日的課題
今まさに保健婦活動の転機—担当地区を基点とする活動がふえたが
今江 美智子
1
1石川県七尾保健所
pp.528-531
発行日 1978年8月10日
Published Date 1978/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662206017
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京都駅から山陰線で1時間ばかりの所にある丹波の小さな町,そこは保健所から汽車で10分,一つめの駅で降りて線路を横ぎり,裏手の小高い山をどんどん登りつめると,眼下に一望できる,建ち並ぶ家々の屋根,これから私の担当する町。私は期待と不安の入り混じったたかぶりを覚えながら,しばらくそこに立ちつくしていた。保健婦学校を卒業してすぐ京都府下の保健所に勤め,保健婦としての第一歩を踏み出した時のことである。
命令入所で長い療養生活を送っていた重症の女の人が,退院した男性の後を追って無断で療養所を抜け出し,「近くに結核患者がいるのでうつらないかと不安でしかたがない」という住民の投書に基づくケース訪問であった。
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