特集 嚥下訓練に踏み切るとき—ナースが切り開く経口摂取への道
いま,まさに嚥下訓練に取り組む看護職たち
尾形 由美子
1
,
小山 珠美
2
,
別府 加代子
3
1七沢リハビリテーション病院脳血管センター慢性期病棟
2七沢リハビリテーション病院脳血管センター急性期病棟
3七沢リハビリテーション病院脳血管センター
pp.217-222
発行日 2000年3月1日
Published Date 2000/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661903420
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これまでの当院における嚥下障害へのかかわり
当院は,七沢理学診療病院として1966年に開設され,温泉療法や理学療法を中心にスタートした病院である.その後リハビリテーションの考えが発展し,脳血管センターとして脳血管障害の専門病院の役割を果たしてきた.組織としては,院長のもとに診療部,看護部,リハビリテーション部などいくつかの部門がある.看護部の内訳は10の看護病棟と外来,手術室・サプライおよび特別養護老人ホームの健康管理室の計13セクションである.看護職員210余名,医師28名,PT・OT・STなど60名を含み患者中心に多くの職員がかかわっている.
当院は,この10年の間にもそれぞれに嚥下障害のある患者にアプローチしてきたが,どの部門も主体的にかかわれず,医療チームとして発展できなかった.その主たる原因は,嚥下障害のある患者は肺炎を起こしやすく,リスクを伴うことと,またADLの拡大がスムーズにいかないことであったと思われる.食事形態に関しても段階的な嚥下障害食がなく,とろみをつけただけの食事だったので,積極的な患者への援助が進展しにくかった.
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